兎の刻印 Rabbit Stamp 2003

舞台は小学校、テーマは自分自身と戦うこと。反発心から生まれたこの作品を作ることで初めて
私は自分自身と戦い、対話することができた。明日の自分が描けない、自分が誰なのか認識でき
ない、境界線を超えられない、そんな想いを自らの幼い頃の記憶に乗せて表現しました。

A deserted classroom of an elementary school, back of a classmate, sky, crack, a goldfish
which crosses the gaze of the girl, a rabbit, and the girl who becomes the rabbit -- the theme
of "Rabbit's Stamp" is "to struggle with myself". Ever since my first film, "the crow", I always
worked on the projects with the themes such as memory of a girl, scenery within the memory,
and verification of my own existence, to face myself. By expressing my true memory, I would
like to resonate with the memory which lies in the deep heart of many people as possible.

監督:山口安紀子
Director: Akiko Yamaguchi

第3回21世紀アジアデザインコンペ 装苑賞
3rd 21st century Asian design competition, SO-EN prize

月刊「装苑」1月号掲載
Monthly SO-EN January edition publication

Screening history:

iMedio BroadStar、openArt、BusterTV、クリ援にてWEB上映中 [詳細]
iMedio BroadStar, openArt ,BusterTV, Cre-en (Network transmission) [Details]

インター・カレッジ・アニメーション・フェスティバル
Inter- college animation festival

Cinema Showcase

芸術系大学作品展2003
ART UNIV. 2003

neutron movie week 2003

函館港イルミナシオン映画祭
Hakodate port illumination movie festival

ヤング・パースペクティヴ2004
YOUNG PERSPECTIVE 2004

Blast(川崎CLUB CITTA') [詳細]
Blast(Kawasaki CLUB CITTA') [Details]

Nippon Koma(ポルトガル、リスボン) [詳細]
Nippon Koma(Portugal, Lisbon) [Details]

フランス・ドイツ共同国営テレビチャンネル「ARTE(アルテ)」
ウェブサイト内コンテンツ「MANGARTE(マンガアルテ)
[詳細:フランス語版ドイツ語版]
The French & German joint government-managed television channel "ARTE"
contents "MANGARTE" inside web site [Details: French, German]

「七つの夜の夢」(京都シネマ)
"Dream of seven nights" (Kyoto cinema)

フランス・ドイツ共同国営テレビチャンネル「ARTE(アルテ)」
ウェブサイト内コンテンツ「MANGARTE(マンガアルテ)」にて
紹介されたインタビューを掲載(日本語版/2005.9)
Q1. 作品の制作にかかった時間
構想期間が約二年、実制作作業は一週間でした。はじめのバーションができあがった時点で上映会へ参加し、
様子を見つつ、一ヶ月程かけて手直しをしました。

Q2. 制作過程で苦労した点
この作品を作ろうと考え始めてから、それを形にするまでにとても時間がかかったことです。自分自身の
持っている体験や記憶を形にして何かを伝えたいという気持ちは強かったのですが、悲しい記憶や出来事に
向き合うことに、とても時間がかかりました。

Q3. 作品のみどころ、こだわりなど
この作品を作る上でこだわった点は、アニメーションでありながら、静止画をたくさん挿入することです。
記憶を形にしようと思った時、『それは、どれも止まっているある瞬間の出来事で、動いていないのではないか』
と感じたからです。もしかしたら、記憶をこうした作品にすることでやっと、私の内面にしまってきた出来事が
動き出したのかもしれません。

Q4. この作品を作ろうと、思いついたきっかけ
きっかけは私が小学二年の時の実体験です。私はあまりいい子供時代を過ごしていませんでした。だから、
子供の頃から、今、思っていること、感じたことをいつか作品にして、何かを伝えたいと強く願ってきました。
15年たってやっとそれを形にした、やっと形にできたといった感じです。

Q5. これまでに影響をうけたもの、好きな作品(映画、本、マンガなど)
押井守監督の「機動警察パトレイバー」
佐藤真監督の「SELF AND OTHERS」
リュック・ベッソン監督の「LEON」

Q6. フランス・ドイツの人たちに向けて公開されることについてどう思いますか
このような機会に巡り会えたことに感謝しています。作品を作ることで自分自身を知り、海外に作品が届く
ことで、私は自分が日本人だということを再認識します。これからも海の外に住む、多くの人々に作品を
届けられるように頑張りたいと思っています。

Q7. 今後作りたいもの、やりたいこと
「兎の刻印」を作っていた頃の私は自分の想いを形にして、それを誰かに届けることに必死でした。あれから
二年の月日が流れました。自分の悲しみや怒りや憎しみや、そういった強い気持ちを伝えたら、次は誰かを
思いやりたい、作品を作ることで幼い頃の傷ついた私の心が癒されたように、何処かで今傷ついている誰かを
救えるような、そんな作品作りを続けていきたいと思っています。

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